私はいろんな音楽協会に所属しておりますが、ここ1年は、イタリア声楽協会でお世話になっております。
伴奏ピアニストの片桐えみさんが立ち上げた協会です。定期的に在原先生が神戸まで来てくださって、レッスンをしてくださってます。そして協会初の第一回目のコンサートが、3月29日(日)2時開演で、ファミリアホール(西元町)で開かれます。そのための練習を今日、片桐さん(えみねーさん)宅にて個人的に聴いてもらいました。えみねーさんは、歌の事はなんでも知ってるので、素晴らしいアドバイスをくださいます。そこへ、共演者のお仲間が一人やってきて、一緒に聴き合って、お互いに良い刺激になり、大変充実しました。
日本の声楽のレベルはまだまだ低いです。勿論素晴らしい方もおられますが、全体的にはまだまだです。
なので、イタリア声楽協会では、人と競って自分だけが上手になろうと言うよりは、お互いが聴き合って高め合う、というスタンスで勉強をしたい、向上したいと思う人の集まりになったらいいなあ。と、えみねーは思っています。私自身も、私だけが上手になりたいとか、そういう思いでそこに存在している訳ではありませんでした。偶然、そこは、えみねーさんと自然に同じ考えでいたみたい。。私達は、舞台でお給料をもらっている訳ではないので、技を隠し持つ必要はない気がします。それより、日本全体のベルカントの技術が上がって行く方が先ではないか、と。良いものは、どんどんとオープンにして、日本の歌手のレベルがある程度一定になり、それから、その高いレベルの中で競ったらいいのではないかと考えます。そしてそれを一般のお客様の耳もレベルが上がり、ダメなものはダメだと、お客様が歌手を育てるくらいの感じにならないと、良い歌手も育たないような気がしているのは、えみねーと、私だけでしょうか?
私は誰とも競争するつもりはなく、どうせ私は、細々とやっている小さな歌手なので、でも誇りは持っていますし、自分のやっている事に自信もあります。
でも日本を代表する歌手でもなし、関西を代表するプリマでもなし、それになるにはまた別の要素が必要でした。もっと心身共に強さが必要でした。私は、ただ歌が好きでずっと追及し、自分のやれる範囲内で存在しているちっぽけな人間なので、私の場合は、今、人と競争する必要はないように感じています。ただ自分が講師であり、また歌手として舞台に立ち、歌ういじょうは、お客様をめいいっぱい喜ばせたい。喜んで欲しいとひたすら思っているだけです。心からそういう願いの伝わるような歌い方をしたいと思っています。
なので、上手な歌手がいたらじっと観察していて、素晴らしいなと思って聴いています。そして技をちょいと拝借して自分のものになるまで訓練を繰り返し繰り返し続けます。なので競争は必要ないし、私の歌を聴いて、上手くなる人がいたら、めちゃくちゃ嬉しく思います。それだけ影響を与えるものを持っていたと自分で知る事ができたら、嬉しいし、益々自信が出ます。与えたからとて減るものでもなし、収入が減るような世界でもなし。
だから競争する必要はありません。今日の一緒になったレッスン生の方からも素晴らしい刺激を受け、益々頑張らなくちゃと思う気がしたくらいでした。私の技を盗まれたとしても、私が下手になる訳ではなし、その方からも影響を受け、益々私はパワーアップしてると思います。やる気がさらにアップしています。これだけでも私の技術はさらに向上している事でしょう。いい仲間がたくさんいる事は人生の宝です。
千賀恵子