イタリア歌曲のSpirate pur spirate ドナウディ作曲です
この曲を私が歌う時には爽やかな春の風をイメージしています
なので、軽やかな質感の声とテンポ感を設定します
テンポ感は楽譜にある速度基づきます
自由にイメージをしてもらったらいいと思いますが、基本的には楽譜に書いてある指示を全て行います
例えば accelerando 段々早くとあれば、accelerandoをするのですが
その時に、どんなイメージで行うのか
風のスピードは?香りは?温度は?等々
歌詞から、『そよ風を彼女の周りを吹いて知らせて欲しい、彼女は私を彼女の心に留めているのかを』とあるので
彼女はどんな顔立ちの人?
風が吹いて、スカートはどんな風に揺れているのか?
何色のドレスを着ているのか?等、細かくイメージをしてそれに合ったaccelerando(次第に速く)をかけます
イメージの仕方は個人の自由でいいと思いますが、歌詞や、曲全体のテンポ感からイメージを膨らませながら、随所に書かれている指示を一つ一つ丁寧に行います
クレッシェンド デクレッシェンド
クレッシェンド、デクレッシェンド、一つとりましても、この曲でしたら風が彼女の周りをフワッと吹いて、スーッと引いて行くイメージをしながらクレッシェンド、デエクレッシェンドを私はかけます
その時に大切なことは発声のテクニックが疎かにならないことです
表現しようとした時に、疎かになりがちなのが支えです
身体の中心を通して大地と天に向かって一本柱が通っているイメージで立って、横隔膜(diaframma)が、ストンと降りている状態、その状態を適度な力で保っている状態になる事をappoggio(息を支える)支えとなります
どうか発声のテクニック無しに、表現する事ばかりに走らないでください
テクニックを持たない表現法は、表現しているつもりに過ぎない
自分が思っている程伝わらない、やりたい音楽があるのなら、技術を磨いてください